INTEGRA-7を購入!Digital Performer用のパッチリスト(インストゥルメント定義ファイル)を作成♪ [JUNの独り言]
自己紹介、ならびに音圧関連の記事の中で触れていますが、私の音楽制作スタイルは、MIDIをベースにしています。しかも、ソフトシンセを使うことはあまりなく、基本的にハードウェア音源(ハードウェアシンセ)を使用しています。
HIRNESでのトラック制作は主にMASAが行っていることも過去の記事で書いていますが、私が作る一部のパートに関しても、MIDIデータを渡してMASAが使用している音源を鳴らしています。(一応雰囲気を伝える為に、私がMIDIデータを打ち込んだ際に使用したハードウェアシンセで録音したオーディオデータを一緒に渡しています。)
これまでは、約10年前に購入したRoland社の「Fantom-XR」を使用していました。
・SRX-03:Studio SRX
・SRX-04:Symphonique Strings
・SRX-05:Supreme Dance
・SRX-09:World Collection [SR-JV80 Collection Vol.4]
・SRX-10:Big Brass Ensemble
と、6つの拡張スロットすべてにSRXエクスパンション・ボードを搭載し、おそらく当時、30万円以上の価格で購入したと記憶しています。
HIRNESでは主にミックス・マスタリングを担当していることからもお分かりのとおり、私自身、ほとんどオリジナル曲を作ることはなかったため、上記音源で不満に思うことはありませんでした。
興味本位で、IK Multimediaの「SampleTank 2.5XL」やNative Instrumentsの「KOMPLETE 8 ULTIMATE」を購入したりもしましたが、KOMPLETEは私のiMacではCPUやメモリの関係で軽快に動作せず、ほとんど出番はありませんでした。
SampleTankはかなり軽いソフトシンセであることに加え、Group Buy(グループ・バイ)のプロモーションで購入し、
・Sonik Synth 2
・SampleMoog™
・SampleTron
の音源も一緒に手に入ったので、そこそこ使用していたのですが、今年に入ってDigital Performer(以下、DP)のバージョンを8に上げたことより、32bit環境のソフトシンセが使用できなくなり、出番がなくなってしまいました。(どうしても使用したいときはDPを32bitモードで起動しています。)
余談ですが、私のピアノ演奏動画で鳴らしている音源は、「Miroslav Philharmonik」のピアノが多いです。バッファサイズを64Sampleにすると、レイテンシーを気にすることなくリアルタイムで弾くことができます。
そんな中、今年の初めにHIRNESの活動を開始し、ちょっと音源が欲しいな~と思っていたところ、「SampleTank 3」が発売。ですが、使い慣れているハードウェア音源の方がいいと考え、Fantom-XRをSRXエクスパンション・ボード6枚と一緒に買取に出し、3月に「INTEGRA-7」を購入しました。
音源のことから少し話がそれますが、「使い慣れている」という部分で、私は楽曲制作にはDP、ミックス・マスタリングにはPro Toolsを使用しています。
DPに関してはPerformer 5から使用しており、これもカウントすればMac歴=DTM歴=DP歴となります。カラオケ制作の仕事をしていたこともあり、当時、MIDIに関しては、DAW(当時の言葉で言えばシーケンスソフト?)の中でDPの機能が一線を画していました。
今ではCubase、Logic等でもあまり変わらないのかもしれませんが、完全に“慣れ”の問題でDPを使用し続けています。
ちなみに、なぜDPでミックスをしなかったのかと言いますと、、、正直思い出せないんですよね・・・笑。知人からの勧めなのか、先入観なのかよくわかりませんが、なぜかPro Tools LEでミックスを勉強し始めたため、オーディオの処理に関してはPro Toosの方が慣れています。
さて話を戻しまして、ハードウェア音源の欠点と言いますか逆にソフトシンセの方が便利な部分として、
・GUIでの操作により音色選択・変更・編集が便利なこと
などがあるかと思います。
後者に関して、INTEGRA-7はエディターがRoland社より配布されていますが、AU版は「Logic Pro X」、VSTi版は「Cubase 7.5 / 8」のサポートのみで、残念ながらDPは動作保証外です。それに加え、私はiPadを持っていません。
元々、カラオケ制作の仕事などで、RolandのSC-88やYAMAHAのMU80など、コントロールチェンジやエクスクルーシヴ・メッセージを使用した操作はそこそこ慣れていましたので、GUIによる操作はこの際目をつぶります。しかし、音色定義ファイル(パッチリスト)だけはどうしても欲しいと思いました。
Fantom-XRの時には「CherryPicker」というソフトで、DP用のパッチリストを作成していまして、INTEGRA-7に関しても同様にと思ったのですが、この「CherryPicker」というソフト、かなり長い間バージョンアップしておらず、PowerPCバイナリなんですよね。
MacOS10.6まではインテルベースでもPowerPCバイナリを動かせるRosetta(ロゼッタ)という技術が搭載されていたのですが、MacOS10.7で廃止されてしまいました。
私は今年の初めにMacOSを10.6から10.8にアップデートしてしまったため、「CherryPicker」が使用できない環境になってしまいました。さて、どうしましょう。。。
違う音色管理ソフトを探すという選択肢もありましたが、私は定義ファイルの「.midnam」を自分で作成することにしました。
そこで、Macの他にもう一台所持しているWindows端末を使用。Windows7環境下にTeraPadをインストールし、CherryPickerで作成したFantom-XRの「.midnam」を覗いてみます。
xmlファイルとの格闘。正直???なところもありましたが、見よう見まねで作成開始。地道に音色名を入れていきます。音源の機能としてはとてもありがたいのですが、この時ばかりは「6,000以上の音色を内蔵」を恨みました・・・苦笑。
しかも、xmlには「エンティティ参照」で記述しなければいけない文字があることを知らず、このことに気づくまで、途中段階でブラウザ等に読み込ませてみても正しく表示されなくなり、ファイルが壊れてしまったのではないかと気が滅入りました。
仕事が休みの土日、かなりの時間を何週にも渡り使用し、
・パッチ番号順
・カテゴリ別
の2つのパッチリスト(インストゥルメント定義ファイル)が出来上がりました。
パッチ番号順のスクリーンショット
カテゴリー別のスクリーンショット
「Roland.middev」を編集して、作成した「INTEGRA-7.midnam」を読み込ませる設定をしてDP起動。ちゃんと音色が切り替わっています!
(しばらく使用してみて、カテゴリー別の方が使用しやすかったため、現在使用しているカテゴリー別のパッチリストで音色を切り替えた動画です。)
しかし、、、上記動画をご覧いただくとお分かりのとおり、xmlの作り方が悪かったのか、もしくは音色数が多すぎるのか、大カテゴリーが一覧で収まらず、スクロールさせるときにかなりモタります。ちょっと、いや結構ストレスですね。こんなに頑張ったのに・・・泣。
ただ、Roland社のエディターを使用するときにはドライバをインストールしてUSB接続しなくてはいけないようですので、もし、ドライバ、エディターが最新OSへの対応を止めてしまったらそこでアウトです。
それではあまりソフトシンセと変わらないと思いますので、私はINTEGRA-7をMIDIインターフェースを介してiMacとMIDI接続しています。(上述のとおり、そもそもDPにエディターが対応していないため、私にはこの選択肢しかないのですが・・・。)
パッチリスト(音色リスト)を作成したものの、期待通りの結果にはなりませんでしたが、それでも非力なPCを使用している私にとってINTEGRA-7はいい相棒になってくれそうです♪
[追記]
しばらく運用してみた結果、音色リストをスクロールさせるときにのモタりが、やはりかなりのストレスになりましたので、ちょっとした変更を試みました。
「Audio MIDI 設定」のMIDI装置に、INTEGRA-7をもう1つ追加し、一つはINTEGRA-7(PT)、もう一つはINTEGRA-7(ET)とします。ちなみにPTは「Preset Tones」、ETは「Expansion Tones」の略です。
※「Audio MIDI 設定」で両装置とも同じポートを指定しておきます。
もうおわかりだと思いますが、音色リストを2つに分けて運用しようと考えました。Preset Tonesだけの「.midnam」を作成してINTEGRA-7(PT)に、Expansion Tonesだけの「.midnam」を作成してINTEGRA-7(ET)に反映。
「Roland.middev」を編集して、作成した「INTEGRA-7(PT).midnam」、「INTEGRA-7(ET).midnam」をDPで読み込ませます。するとこんな感じで両方の装置(デバイス)が認識されるようになりました。(実際には各デバイスともに一台のINTEGRA-7につながっています。)
・Preset Tonesのパッチリスト
・Expansion Tonesのパッチリスト
一見、一つの機材が2つのデバイスに分かれて管理しづらいように思えるものの、記事本文で書いた通り、Expansion Tones(拡張音色)はバーチャル・スロットに4つまでしか呼び出せません。よって、こちらの方が拡張音色を使用していることが一目瞭然なので、逆にわかりやすいかなぁと。
MIDIチャンネルの管理(重複しないように)だけは気を付ける必要がありますが、こちらの方が音色変更はストレスなく行えるため、これからしばらくの間、この形で運用してみようと思います。
インターネットで検索してこの記事を読ませて貰いました。私の場合は,ベースが本業(と言ってもアマチュアオヤジバンドですが・・・)でMOTUのPerformerとSC-88ProでMIDIファイルを演奏させて楽しんでおりました。最近,少し時間が出来たので以前から使っているSampleTankとIntegra-7を組み合わせて音楽製作を行う環境を整えつつあります。
INTEGRA-7.midnam,私も昔のiBookとCherryPickerを引っ張り出して作成しましたが,本当に大変ですよね。ご苦労がよくわかります。
今後も御活躍期待しております。
bengchang00
by ベンちゃん (2015-08-31 12:32)
ベンちゃんさん
はじめまして。コメントありがとうございます!
ベースを演奏されるのですね。憧れます。
CherryPickerのことや「.midnam」作成の苦労をご理解いただけて嬉しい限りです。
(DTMの制作環境もとても似ております。)
SoundCloudの楽曲、拝聴しました。素敵でした!
頻度は低いですが、これからも楽曲の配信や記事の投稿を行なっていきたいと思います♪
JUN
by hirnes (2015-09-01 23:46)
はじめまして。かなりお詳しいですね!。私の環境は「iMac/2.7GHz/IntelCore i5、 16GBメモリ、OS10.9.5」でDP9.02に最近しました。DPは1993年辺りからです。hirnesさんのようにRolandのFantomXRなど8台ほどハード音源も使っています。以前は詳しい方にmidnamのやり方などを聞いて拡張音源ボードを指定したり、miを使ったりのやり方で何とかやっていましたが、DP7からはDPの設定画面でスロットとボード名を選んで何とか出来ています。ただ大変困ったのが、DP7からDP9にしたら、今まではずっと⌘+↑、↓でディフォルトパッチの音色切り替えがショートカットで出来たのですが、これがトラック画面の拡大縮小のショートカットに変わってしまっていて、音色切り替えをいちいちディフォルトパッチのところをクリックして開いて選ぶという面倒なことになってしまいました。色々探したのですが無くてハイレゾリューション社に問い合わせたもののまだ返答が来ません。まさかハード音源の音色ワンタッチ切り替えができなくなったのでしょうか? Blog楽しませていただきました。ありがとうございます(^^)
by IZMix (2016-06-01 14:02)
IZMixさん
はじめまして。ブログをご覧いただき、コメントをいただきましてありがとうございます!
ハード音源を8台もご使用なのですね! ラックに収まっているかっこいい光景を思い浮かべてしまいます。
(o>ω<o)
パッチ切り替えのショートカットの件ですが、私の環境(OS10.10.5、DP8.07)でも⌘+↑、↓はトラック画面の拡大縮小です。
DP9と異なるかもしれませんが、DP8ではメニューバーの「セットアップ」の中に「コマンド」という項目があります(DP8ではシフトキー+Lでも呼び出せます)。
ここの検索窓に「パッチ」と入れると検索結果に「次のパッチ」「前のパッチ」がでてきます。そして割り当てられているキーを確認すると、コントロールキー+↑、↓になっています。
そこでこのキーを押してみますと、、、MacOSが初期設定のままですと「Mission Control」のショートカットに割り当てられており、こちらが優先されてしまいます。
ですので、DP側で違うキーを割り当てるか、MacOSのシステム環境設定から「Mission Control」のキーを変更することで、ハード音源の音色ワンタッチ切り替えが行えるようになるかと思います。
IZMixさんの環境でうまくいかないようでしたらすみません。
m(_ _)m
JUN
by hirnes (2016-06-02 02:16)