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曲作りに音楽理論はいらない?それとも必要? [JUNの独り言]

先日の記事でMASAのお宅に訪問したことを書きました。ちなみに上記の記事では音楽とは何も関係ないことを書いているのですが(笑)、実は音楽制作に関しても重要な(?)出来事がありました。それは、二人で一緒に曲作りをしたことです。

住まいが離れていることもあり、普段はメールとデータのやり取りで曲作りを進めているのですが、この日はMASAの制作部屋で一緒に音を鳴らしながら作業をしました。

この前週にMASAから新曲のラフをもらっていて、それに対してメールで私がいくつか提案をしていました。その確認を一緒にしたのですが、その時MASAからふと出た質問にハッとしました。それは「これって音楽理論的に間違っているのかな?

詳細は省きますが、私にとっては不協和音に感じたところがあったので、何か回避できる方法はないかと話をしているときでした。

そんなやり取りを思い出し、ちょっと「音楽理論」について私の考えを書いてみようと思います。(長い前置きでスミマセン・・・。)

音楽理論に関して「役に立たない」という意見を聞くことがありますが、私は役に立つと思っています。ただ、「知らないと作曲できないのか?」というと、そうでもないと思います。ですが、私自身、音楽理論を勉強してよかったと思う部分がありますので、その内容を紹介します。

まず、前提としまして、私は音楽理論に関する専門的な知識を持ち合わせているわけではありません。また、音楽理論といってもクラシックとポピュラー(ジャズ)で学ぶ内容が違いますし、作曲と編曲(オーケストレーションを含む)でも学ぶことが違いますが、私が学んだのはポピュラー系の音楽理論で、その中でもコード進行を中心としたものです。

過去の記事で私は曲作りをほとんどしないと書いていますが、ではなぜ音楽理論を学んだのかと言いますと、きっかけは耳コピーです。

私は絶対音感がないので、相対音感で耳コピーをしていくのですが、やはり耳だけで聞き取るには限界があります。また、初めて聞く曲をできる限り正確にコピーしていくのは時間がかかりました。

そんな中、カラオケ制作の仕事をしている時、上司や先輩方が、私とは段違いの速さで耳コピーをしていくことに驚愕しました。最初のころは「慣れだよ」なんて慰めて(?)もらっていましたが、半年くらい経過してもそれほど進歩はしませんでした。

「もうダメだ」と思い先輩に相談。すると、ちょうど私が取り掛かろうとしていた楽曲の耳コピーを、目の前で実践して見せてくれました。

一回曲全体を聞いた後、特定の箇所を2回くらい聞くと「キーは○○ね」。そして曲の再生とともに鍵盤を弾きながらコード譜を起こしていきます。

私)ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってください。なんで一回聞いただけでそんなすらすらコードが弾けるんですか? もうわかってしまったんですか?

先輩)半分位はわかったけど、もう半分は予測だよ。

私)予測???

先輩)だってキーもわかっているし、典型的なコード進行でしょ。Two-Fiveのところなんて簡単にわかるじゃん。

固まった私を見て、
先輩)お前、音楽理論知らないの? 最低限の勉強はしておけよ。 それと、音を聞こうとせず響きを聞くんだよ。コードの種類やテンションが判ればパートごとのコピーをするとき楽だぞ。
本当はアレンジも勉強しておくと良いんだけど、いきなりあれこれ言っても混乱するだろうからそれは追々。
あっ、でも安物でいいからエレキギターを買ってここに置いておけ。ポピュラーはギターが演奏されている場合が多いから。打ち込みの参考書見るのもいいけど、楽器に触れると理解が深まるぞ。

私)は、はい。。。

この仕事に就く前、私はとあるアマチュアのMIDIデータ制作コンテストで入賞したことがありまして、多少打ち込みに関しては自信を持っていたところがあったのですが、完全に鼻をへし折られました。

それから音楽理論を勉強し始め、1年後くらいから徐々に成果が出てきました。その先輩と音楽理論の話ができるようになったときにはものすごく嬉しかったです。

あと当時、カラオケ用音源の最大同時発音数が確か28とか32だったので、雰囲気を壊さず音を間引くことにも音楽理論を勉強したことが役立ちました。(4和音や16和音の着メロ制作にも生かされました。)

ん??? ごめんなさい、私の耳コピー回想録になっていますね。曲作りに話を戻します。
m(_ _)m

曲作りに音楽理論は必要か?
私のように趣味でやる分には学問として学ぶ必要はないと思います。今はいろいろなツールがあるので音楽理論を知らなくてもカッコいい曲はできると思います。

ただ、勉強しておくと便利なこともあります。その一つとして私が一番恩恵を受けていると感じることは、楽曲の分析(アナライズ)ができるようになることです。

例えば「○○さんのような楽曲を作りたい」とか「このような響きが欲しい」といったときに、自分が出したい音や響きを見つけやすくなります。

ちょっとした例を2つほど。まず、下記の譜面を見てください。
20150721_01.jpg

この曲はとある音楽理論に基づいて作っていますが、こんなの理論的に作っているのか滅茶苦茶作っているのか区別がつかないですよね。この曲が良い曲か悪い曲かは別としまして、それでも私はこんな響きが欲しいと思って作っているので、音楽理論を学んだことが役に立っています。一応、ベタ打ちですが音源を掲載しておきます。

次に、以下の音源は同じコード進行を

・3和音
・4和音
・テンション(クローズド・ボイシング)
・テンション(オープン・ボイシング、UST)

の順に演奏したものです。こちらも良いか悪いかは別としまして、最後のUST(アッパー・ストラクチャー・トライアド)などは、音楽理論を勉強していなければ、おそらく私には出せない響きだったと思います。

上記のような私自身の経験から、

・どうせ役に立たない
・理論にしばられたくない
・自分のセンス(感性)だけで音楽を作りたい

といった理由で音楽理論を毛嫌いするのはもったいないかなと思います。

もちろん、どんなに勉強したからといって良い曲が作れるとは限りません。インプット(勉強)は努力で出来ても、アウトプット(曲作り)はやはり個々のセンスの方が優先されると考えます。だからこそ、音楽って面白いのではないかと思ったりもします。

まあ、音楽理論は偉大な先人たちの教えをある意味“規則的に”まとめたものですので、堅苦しい感じがするのもわかりますが(クラシックは禁則などありますし)、自分のセンスを最大限に生かすためのヒントを得る目的で興味を持つと面白く感じるのかもしれませんね。

最後に、冒頭のMASAとのやり取りですが、結局どうなったかと言いますと、MASAが作ったままの状態で進めることになりました。私は“点”で聴いてしまっていたのですが、“線”で聴いてみると、MASAが言うとおり気になりませんでした。不協和音も解決されれば、音楽の流れとしてきれいですので・・・。

余談ですが、こういった横の流れはクラシック和声の方がより深く学べるのかもしれません。私も一時期先生について芸大和声の1巻と2巻をやっていましたが、いい勉強になったと思っています。

ちなみに私には「アウトプットの能力=センス」がないのですが、MASAには音楽理論の基礎に加えそれがあります。そこに私の楽曲分析力がちょこっと加わってHIRNESのトラックは出来上がっています。

MASAとは相互補完関係の良いパートナーだと思っています!
ってことでよいのですよね、MASAさん???
(((;゜ρ゜)))アワワワワ

【Written by JUN】


タグ:音楽理論
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