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ソフトが使えない?Waves Centralリリースでの動作環境変更に思うこと [JUNの独り言]

2015年10月26日、Waves社はインストールとアクティベーションを一緒に行なえるインストーラーとしてWaves Centralをリリースし、プラグインのバージョンも9.6となったようです。

以前の記事で何度か書いているとおり、私は「Waves Diamond」をメインのプラグインとして使用しているのですが、今回の変更はちょっと疑問に思うところがあったので、そのことについて書きます。

動作環境の変更

今回の変更で私が一番影響を受けたところは、ソフトの動作環境が変わってしまったことです。この記事を書いている時点でWaves社のホームページを見ると、Macに関しては

CPU
Intel Core i3 / i5 / i7

RAM
4 GB

Operating System
10.10.5 - 10.11
10.8.5 for Pro Tools 10 TDM Only

が動作環境として記載されています。

この一つ前(バージョン9.3?)までは、Mac OS 10.7と10.8も動作環境として含まれていたと記憶しています。同一バージョンにおいて動作環境が変更されてしまうのは、個人的には大きな問題なのではないかと思っています。

(ちなみにこの記事を書いている時点での私の環境はMac OS 10.8.5です。このことより、私はWaves Centralをまだインストールしていません。)

最新バージョンのサポートプログラム

Waves社は「Waves Update Plan」というサポートプログラムを設けており、これに加入することにより常に最新版のソフトが提供されます。私もこれに加入しており、毎年300米ドルを上限として、Waves社指定の費用を支払っています。

ただ、これはあくまでも購入後に最新版を提供いただくためのサポートプログラムであり、ソフトウェア自体は永続ライセンス方式で販売されていると私は認識しています。

購入時の動作環境は維持してほしい

ですので、購入時に提示されていた動作環境でソフトが動かなくなってしまうのは正直「???」です。

購入後に、OSの変更等で現行バージョンが動かなくなるのは仕方がなく、そのための「Waves Update Plan」だと思うのですが、なぜ、これまで動いていた環境を同一バージョンで切り捨てるのかが疑問です。

Waves社のホームページでは古いバージョンのソフトもダウンロードできる状態になっており、最新版の9以外にも、8、7、6が用意されています。

今回も、動作環境を変更するのであれば、バージョン10としてメジャーアップデートする形をとり、バージョン9はOS10.7?OS10.10の動作環境を維持するべきだったのではないかと思ってしまうのです。

バージョン9(V9)では2回目

Wavesを以前からご使用されている方ならご存知かと思いますが、バージョン9における動作環境の変更は、これで2回目です。リリース当初はOS10.6.8も動作環境に含まれていました。

Waves V9r13くらいまでが10.6.8に対応しており、その後のマイナーバージョンアップで10.7以降に変更されました。

使用できなくなった「Waves License Center」

今、以前のアクティベーション方式である「Waves License Center」を起動すると、最新版への更新を要求されます。「Waves License Center」を使用したオーサライズ情報の移動はもうできないようです。
Waves License Center

「Waves License Center」でオーサライズが行なえたのは

・システムの入った内蔵ハードディスク
・市販のUSBメモリ(Fat32フォーマット)

のどちらかであり、幸いにも私はUSBメモリにオーサライズ情報を書き込んでいましたが、ハードディスクに書き込んでいた場合には、今使用しているMac自体をYosemiteもしくはEl Capitanに上書きアップデートしなければ、このMac以外で使用できなかった可能性があります。

V9.3の最終版(最新安定版)

ただ、オフラインインストーラーのダウンロード履歴を確認したところ、上記Waves V9r13までしかハードディスク上に残っておらず、もし、何らかの理由でOS10.8をクリーンインストールした場合、これまでと全く同じ環境でWavesを使うことはできなさそうです。

Waves V9r13以降にDiamondに追加されたプラグインもありますし、そもそもこのバージョンに不具合がある可能性もあるわけでして、常に最新版のオフラインインストーラーをダウンロードしておくべきだったと後悔しています。

【2017/1/25追記】 V9.3の最終版は以下よりダウンロードできるようです。
http://www.waves.com/support/run-waves-plugins-on-mac-os-lion-10-7-to-10-7-5

余談ですが、私がYosemite以降にアップデートしない理由は、この記事で書いたとおりPro Tools 10を11と併用したいためです。

OSとソフトの関係

先月、Apple社が古いバージョンのソフトをMac App Storeの購入済みリストから削除し、話題になりました。

このときは一時的な不具合だったとして数日後に再配布されましたが、今後は常に最新のOSにすることを強いられ、且つ、最新のOSに対応したソフト以外はリジェクトされてしまうのかもしれませんね。
【参照記事】
・Apple、iPhotoやApertureに続き「OS X 10.9 Mavericks」および「ネコ科のOS X」もMac App Storeの購入済みリストから削除。 | AAPL Ch.
http://applech2.com/archives/46397487.html
・Apple、旧OS XおよびiPhotoやApertureなど一時Mac App Storeの購入済みリストから消えていたアプリの再配布を開始。 | AAPL Ch.
http://applech2.com/archives/46417083.html

将来的には、すべてのソフトがクラウド化、もしくはサブスクリプション方式での販売になるのかもしれませんが、永続ライセンス方式で販売している間は、テクニカルサポートは打ち切られたとしても、ユーザー側が購入時の環境を用意することを条件に、ソフトの使用はできるようにしていただきたいなと個人的には思います。

まあ、今回のWavesにしても、ソフトの利用規約を隅々まで読めば、おそらく

・ユーザーはWaves社のいかなる変更にもこれに同意する
・利用規約自体の変更にもユーザーは異議なく承諾する

といったことが書かれているのでしょうけど・・・。

最新OSへの対応にコストがかかることに加え、高額なソフト故に、メーカー側がこれだけライセンス管理を強化しなければいけない背景も理解はしますが、正規のユーザーにそのしわ寄せがくるのは少々残念な気がします。

【Written by JUN】


タグ:Waves
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コメント 2

こ〜ちゃん

全く同感であります。
今回のは特に酷く、プラグインがメインなのか?
DAWがメインなのか?とも思ってしまうアップデートです。
by こ〜ちゃん (2015-12-30 17:54) 

hirnes

こ〜ちゃんさん

コメントありがとうございます!
私の周りではあまりこのことが話題になっていませんでしたので、共感してくださる方がいて嬉しい限りです。

一昔前は、OSやDAWのバージョンを上げることに誰もが慎重だったと思うのですが、Windows、Macともに最新OSへのアップグレードが無償になったことも手伝ってか、“常に最新の状態”がスタンダードになりつつあるのでしょうか。。。

とは言え、購入時に提示されていた動作環境で使えなくなってしまうことに違和感を感じずにはいられないのですが・・・。

JUN
by hirnes (2015-12-30 21:58) 

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