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【スピーカーで確認】ヘッドホンとの違いは? [音圧について]

音圧上げをテーマとした記事のパート10です。

さて、メータープラグインで数値として音圧を測ることを前回の記事で書きましたが、では、この数値だけですべてが測れるのでしょうか?
当たり前ですが、答えはNoです。

例えば以下の動画のような操作をすれば、簡単にRMS値は上がりますが、これで音圧が上がったと喜ぶわけにはいきませんよね(苦笑

多かれ少なかれ音圧を上げることで歪みが出るのは仕方ないとしても、このような非音楽的な処理でRMSの数値を上げても意味がありません。

そして、同じRMS値でも音色や音程(音域)によって聞こえ方は異なります。たとえば以下の動画では同じRMS値のサイン波を再生していますが、音程が違うため、再生する環境によって聴感上の音量が大きく異なると思います。

ですので、理想的な音質・音圧のマスターデータ、もしくは90パーセントくらいは仕上がっている段階で、確認(または最終調整)としてこういったメーターを使用されることを個人的にはお勧めします。(私自身、そのような使い方をしています。)

メーターを見ながら処理をしていると、上述の通り、メーターの値を変化させることの方に意識がいってしまう可能性があるので、ちょっと危険だと思います。

それを裏付けることとしまして、私が過去に音圧上げに失敗したデータ、これらを再生して同プラグインで測定してみると、苦も無く(?)、RMS値が-6を超えているのです。でも、音質的にも音圧的にも聴感上はよろしくありません。
(ToT)

さて、ここからが今回の本題です。このテーマ以外の記事で書いたと思いますが、私は集合住宅に住んでいる為、ヘッドホンでの作業がメインとなります。

そんな私が過去も今も、音圧上げがうまくいっているかどうかを比較的簡単に判断できる方法があります。その確認とは、「チープなスピーカーで聴いてみる」です。私の場合はiMac本体のスピーカーで聴くことで、よくわかります。

(以前の記事で音圧上げがうまくいっていなかったときのことを書いていますが、その時もこの確認をしたときにうまくいかなかったことに気付くことが多かったです。)

上記のとおり私はヘッドホン、しかも密閉型を使用しているため、本来耳障りな音や不必要な帯域の音が入っていても、ダイレクト音で聴いているので音量ということでいえば大きく聞こえてしまいます。

ですので、「市販音源と違うなぁ」とは思いつつも、聴感上の音量(音質は含みません)は同程度に聞こえてしまうのです。

ちょっと試してみていただきたいのですが、リファレンスとなる音源を聴いていただいた後、ご自身の楽曲等でキックとベースをわざと大きくしたミックスをしてみます。ただし、極端にやりすぎることは避け、ご自身にとって気持ちいいと思える範囲内で行ってください。

しばらくして、リファレンスの音源を聴き直します。「あれ?低域がスカスカだ」って感じませんか?
(感じていただいた前提で・・・苦笑)
耳って、今聞いている音に慣れてしまうんですよね。ところがヘッドホンからスピーカーに切り替えることによって、一旦リセットされるのだと思います。

そしてチープなスピーカーで聴くと不必要な帯域にマスキングされていて実際にはハッキリしない音像であったことに気付きます。

そこで改めてヘッドホンに戻ってみると、「なんだこれは」と自分が作った音源のダメさにガッカリするのです。慣れって怖いですね。。。

ですので、ヘッドホンはスピーカー代わりにならないと私は思っています。現在は、ヘッドホンでスピーカーの鳴りを再現する、
・Focusriteの「VRM BOX
・beyerdynamicの「Virtual Studio
といった製品もありますが、私には合いませんでした。

では、スピーカーで思いっきり音を出してミックス・マスタリングをすれば、ものすごく良い音になるかというと、私程度のスキルではそれほど変わらないのかもしれません。それでも、スピーカーで音を出して初めて気づくことは結構多いです。

上述のような生活環境より、私の場合はスピーカーを使用できる時間が限られてしまっていますが、それでもHIRNESの楽曲制作において、スピーカーでのミックス・マスタリングを必ず行うようにしています。

経験を積んでいくことで、耳で補正が聞くようになり、ヘッドホンでミックスしたものがスピーカーでのそれと大きな相違がなくなればいいなぁと、甘い期待を抱いておりますが・・・。

今回で音圧に関する記事がちょうど10回となりました。一旦ここで一区切りとさせていただき、また機会があれば、このテーマに関する記事を書いてみたいと思います♪

【一連の記事へのリンク】
パート1 - 頑なにMIDI
パート2 - 音圧との出会い?
パート3 - 「Loudness war」(音圧戦争)って?
パート4 - 無謀にもハードウェアから
パート5 - いよいよソフトウェア
パート6 - 海苔波形を目指す
パート7 - 結局はミックスなの?
パート8 - ミックスで変化したこと(リファレンスCDの活用)
パート9 - 視覚で音圧を測る?(ラウドネスメーター)
☞ パート10 - 【スピーカーで確認】ヘッドホンとの違いは? ←本記事

【Written by JUN】


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