【独学用】大人の初心者におすすめ|ピアノ基礎練習の教本・教材 [大人のピアノ(初心者)]
私にはピアノを独学で練習した時期がほとんどないことを以前の記事で書きました。では、市販の教本・教材を全く使ったことがないのかというと、そうではありません。
現在は、練習曲といったジャンルの教材を使用してレッスンを受けており、これらの教材に関しては先生の指導(教材の使用方法)に依存する部分が大きいと思っています。
ハノンやブルグミュラー25の練習曲など、解説は最初の数ページのみで、実際どのように弾いたら上達するのかといった詳しい説明がついている教本を私はほとんど見たことがありません。
よって、再開ではなく大人になって初めてピアノを始める人が独学で使用するには少々難しいのではないかというのが個人的な考えです。
一方、指づくりであったり、特定の弱点を克服するといった、練習の仕方まで丁寧に記されている教本・教材もたくさんあります。ここでは、指が動くようになるための練習(≒基礎練習?)として、私が使用した教本をご紹介したいと思います。
まず、現在はレッスンで使用する教本以外は家での練習で使用していませんので、これからご紹介する教本は私が大手音楽教室のレッスンに通っていた時期に使用していたものとなります。
その時は
・コードの練習:10分
・アドリブのためのスケール練習:10分
の計30分といったレッスンを受けていたのですが、あまり上達が感じられず悩んでいました。そこで、市販の教材を使用し並行して練習するようになりました。(ちょっとした独学と言えるかもしれませんね。)
まず最初に選んだ教本ですが、私には左右小指のまむし指という弱点があります。第二関節がカクカクしてしまい、それが原因でフレーズはもとより、コードの演奏でも小指を使用することにものすごい神経を使いました。
これを改善したいと思って購入した教本が、『黒河好子のPianoサプリ ピアノを弾くからだ』です。
簡単なフレーズの練習に加え、まむし指を克服するためのテーピングの仕方などが掲載されており、また付属のDVDで視覚的にもよりわかりやすく理解することが出来ました。
なお、この本を通じてピティナ(一般社団法人全日本ピアノ指導者協会)を知ることになります。
その後、スポットでレッスンいただいた先生に教えていただいた教本が、『ドレミファソで始める かんたん! すごい! さきどり! ピアノ・テクニックの本』です。
この教本はかなり効果がありました。といっても、この教本は先生に指導いただきましたので、独学ではありません。ただ、この教本の「指導者用ガイド」も販売されていますので、一緒に購入すれば独学でも効果が期待できるかもしれません。
そして最後、高度な(?)基礎練習と言えば『コルトーのピアノメトード』が有名ですが、とてもピアノ初心者に対応できる内容ではありませんので、その初歩版ともいえる『初心者のための ピアノテクニックの基本的原理』です。
この本は、ホント、指のトレーニングという感じです。現在師事しているクラシックピアノの先生の指の体操に通ずるところもあります。ただ、最初は無理すると指や腱を痛めてしまう可能性がありますので、ゆっくり、徐々に練習していくのが良いと思います。
以上、ご紹介した3つがピアノ初心者の基礎練習としておすすめできる・・・、と、3つの教本をご紹介してこの記事を終わりにしようと思ったのですが、たまたま昨日のレッスンにおける先生とのやり取りの中で、ちょっと思うところがありましたので追記したいと思います。
(と言いますか、ここからが重要な内容となります。)
この記事を書いている時点で、私はバイエルを修了し、ブルグミュラー25の練習曲を使用してレッスンを受けています。(その他に、ハノンとバロックの小曲を指導いただいています。)
だいぶ音楽的な指導を受けるようになってきまして、音色的なことも指摘されるようになりました。
バイエルとは違って、表現の幅が広がってくるのですが、私の場合、大きな音を出そうとするときに“力”に頼った弾き方になりがちです。すると先生から、音が重くなる(抜けの良い音にならない)から、力で鍵盤を押し付けないようにと注意を受けます。
脱力が出来ていないので、その音自体も重いですし、次の音へのつながりも悪く、音楽が進んでいかない感じです。
バイエルに関する記事でも書きましたが、先生は私の演奏(音)がどうなっているのかを実演してくださり、
押し付けるのではなく指を太鼓のバチだと思って鍵盤を打ってください。打鍵したら力を抜く。でも指先は鍵盤に密着させて鍵盤の底に芯を感じる。こんな感じです。
と指導を受けます。
何だか、書いてあること(先生がおっしゃること)、難しそうに感じますよね(汗
もちろんすぐにはできないのですが、そうすると、レッスンの最初に行っている指の体操やハノンに戻ったりします。
そこで同じような打鍵をすると
と言われ、その後に弾いてみると、完璧とはいかないまでも結構良い音が出ます。
この体験から私が感じることは二つありまして、それは、
一、基礎練習は実際の曲での演奏に反映させるために行っているが、そのことを意外と忘れがち。
です。
基礎練習に関して、その内容がフレーズや曲になっている場合、それを弾けるようになることが目的になってしまう危険性があります。でも、本来の目的は、基礎練習を積み重ねることで、自分が弾きたい曲を弾けるようになることだと思います。
例えば、あまり良くないフォームで基礎練習のフレーズが弾けるようになっても、自分が弾きたいと思う曲の中にそれと全く同じ形(音型)で出てくることはありません。そのとき、逆に変な癖がついてしまっていたら、余計に弾き難くなってしまいます。
また、私自身、クラシックピアノに関しては独学の期間が全くなく、加えて、現在師事している先生が私にとっての初めての先生ということもあり、
ともレッスンでよく言われます。
大人になって再開した方や、独学で長い期間練習してきた方で、悪い癖がついてしまっている方がレッスンを受けにくることもあるそうなのですが、癖を直すのはものすごく大変だと仰っています。
しかも、その状態でもある程度指が回る方の場合は、それ以上難しい曲を弾く為に基本が大切だと説明を受け納得されるそうなのですが、ソナタとかを弾ける人がブルグミュラーなどに戻って練習するとなると、余程根気強い方でないと続けられずに教室を辞めてしまわれるそうです。
(この部分は先生の指導方針との相性もあると思います。)
以上のことより、一度もピアノを習ったことのない初心者の方に、基礎練習のピアノ教本をおすすめすること自体が間違いなのかもしれないと思うところもあり、このような追記をしました。
また、ピアノを習ったことがある、もしくはある程度演奏できる方の場合、『ピアノスタイル ピアノがうまくなる理由 ヘタな理由 (CD付き)』のような、実際の曲で弾けない部分と対比してその克服法が記載された教本を基礎練習の教本に代わって使用するのもありかと思います。
ピアノを練習する目的にもよりますが、特定の一曲を弾きたいという場合には、難しいところを部分練習していき、曲を仕上げながら基礎力の向上を図る方が適しているのかもしれませんね。
さて、追記が長くなってしまいましたが、もしこの記事でご紹介した教本に興味を持たれた場合は、ぜひ楽器店等で内容を確認されたうえで購入を検討されることをおすすめします。
結局、「おすすめの教本は何なのか?」ということに対してオチがない記事になってしまいましたが、何かしら独学でピアノを練習されている方の参考になる内容があれば幸いです♪
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