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DTMでピアノ曲の参考音源を制作|弾けないことによる打ち込みの難しさと面倒さを痛感 [制作日記]

前回の制作日記で生演奏をお願いする為の楽譜が出来上がったと書きました。その楽譜に加えて、ベタ打ちのMIDIデータをシンセのピアノ音色で鳴らした参考音源を先生にお渡ししました。これが9月6日。

ただ、この時先生から

この参考音源のテンポだとちょっと難しいかもしれないね

と言われていました。これ、ものすごく重要なことなのですが、私は「何とかなるだろう」と甘い気持ちで聞き流していました。

このことは別の記事で書きますが、先生に生演奏の依頼をOKしていただいた段階で、レコーディングエンジニアの方にご連絡し、会場の手配と日程の調整をお願いしました。

楽譜を渡したのとほぼ同じ時期に、レコーディングの日時が決まりました。11月下旬です。

ただ、9月6日の段階ではまだ二ヵ月半も先でしたので、心のどこかに余裕があったのだと思います。

先生とはレッスンで月に二回お会いするのですが、9月の二回目のレッスン、10月の一回目のレッスンでも録音の話は出ませんでした。

さすがにちょっと心配になってきまして、10月の二回目のレッスンの際に、「先生、録音日まであと一ヶ月くらいになるんですが、そろそろどのような演奏になるかを聴いてみたいと思いまして・・・。」と申し出てみました。

すると、

そうですね、では11月の一回目のレッスンの後に簡単なリハーサルをしましょうか

と仰ってくださり、私は一安心。11月1日、私はウキウキな気持ちでレッスンに行き、レッスン終了後、いよいよリハーサルに入ります。

ここで私は愕然としてしまいます。まずはテンポ。ゆっくりになったことは想定内でしたが、一番速く弾くパッセージの部分でどの程度の速さになるかを計っていたため、それ以外の演奏箇所で一部間延びしてしまう部分があることに気付きます。これは想定外でした。

次に演奏。私が渡した音源通り、インテンポで淡々と演奏が進みます。「あれあれ?」と思い、「先生、もっとテンポとか揺れていただいたり・・・」と伝えたところ

そうなの?

との返答が。

完全に私の計算違い、いや思い違いでした。私は、楽譜を渡して「それではあとはお願いします」で、先生がこの楽曲を音楽的に(この表現が適切かはわかりませんが・・・、)解釈してくださり、私の思い通り、いやプラスαの演奏になると勝手に思っていたのです。

確かに、楽曲形式などをきちんと定めて、クラシックの○○のような楽曲ですという形で作曲していれば、先生も楽譜からある程度の解釈は可能だと思いますが、素人が作ったジャンルもわからないような曲を、楽譜だけで解釈し、デフォルメしてくださいと言われてもそれは無理があります。今思えば当たり前のことでした。

完全に顔が青ざめました。本番までもう一ヶ月を切っています。ただ、救いだったのは、恥ずかしさを抑えて「ここをこのように弾いていただけますか?」と自分の解釈を伝えると、その通り、いやその三割増しくらいのすばらしい演奏をしてくださいました。

“音楽的に”なんて抽象的な表現をしている場合ではありません。“恥ずかしい”なんて言っている余裕もありません。“このように演奏していただきたい”という思いを伝えなければ・・・。

その後もいくつか演奏に関する調整を行ったのですが、上述のとおり、間延びしてしまった箇所は一部編曲のし直しを強いられ、また、この日は時間もあまりなかったことより、後日楽譜の修正を行い、演奏に関する要望は作り直す参考音源を通じてお伝えすることになりました。

レッスン&リハからの帰り道、普段はバスに乗るのですが、約3キロの道のりを、録音したリハの様子をレコーダーで聴きながら歩きました。

リハ終了時はほとんど不安しかありませんでしたが、リハ音源を聴いているうちに少しずつやる気が戻ってきました。集中して作業したいと思ったので、この日はすぐに就寝。翌日の仕事を終え、11月2日の23時より長い戦い(?)が始まります。

まずはDAW(Digital Performer)上で、ベタ打ち状態のMIDIデータを開きます。リハ音源を聴きながら、修正された演奏のテンポを取ります。そのテンポのまま一旦最後まで通して聴きます。

テンポがゆっくりになったことで間延びしてしまった箇所を編曲し直します。ここでも「学ぶ」=「真似ぶ」方式です。少ない引き出しの中から試行錯誤。これで行けそうだと思うアレンジができたのは翌3日の朝4時。

ここで寝てしまっては多分起きれないと思ったため、そのまま表現の編集に。鍵盤楽器のベロシティやデュレーションに関して、普段はリアルタイム入力した後に、イベントリスト(数値入力)でチマチマと修正していくのが私のやり方なのですが、今回は時間がないことと、フィーリングに頼りたいと思ったのでピアノロールエディタのペンシルツールで編集していきます。

サクサク作業を進めたかったので、非力なPCを使用している私はハードウェア音源「INTEGRA-7」のSuperNATURAL音色を使用。(ピアノソロとは言え、私のiMacですとソフトウェア音源を鳴らすのは危ういですので・・・苦笑)

SRXシリーズのピアノ音色も好きな音ではあるのですが、4段ベロシティ・スイッチが採用されており、その境目で大きく音色が変わってしまうんですよね。

そんなこともあって、私は数値入力をすることが多いのですが、SuperNATURAL音色は強弱による自然な音色変化が得られたので、フィーリングのままストレスなく編集を進めることが出来ました。

デュレーションに関しても、シンセ音源では大して変わらないのかもしれませんが、ペダルに頼らず、次の音まで伸ばすところは伸ばすといった調整をしました。(デュレーションの調整もピアノロールエディタで行いました。)

一方ペダルに関してはきっちり数値で入力。ペダルを踏みかえる次の音が発音されてからペダルをオフ、そしてオンにするといった実際のピアノ演奏を想定した調整を行いました。また、生ピアノでの演奏をリハで聴いて、音が濁ってしまい、ペダルを踏みかえたほうが良い箇所は、それを反映させました。

そして一番の難関(?)であるテンポの調整。まずはタップ・テンポで大まかなテンポを打っていきます。フィーリングで打ち込むには一番最適な方法かもしれませんね。

ただ、私はリズム感がないのでそんなに正確にタップが打てません。よって、これらをもとに、グラフィックエディタのペンシルツールで調整していきます。

タップ・テンポの情報は残しておきたかったので、別テイクに複製して新たにテンポを書いていきました。

ですが、この作業が思っていた以上に苦戦。楽器特有の奏法を打ち込みでどう表現するかについては、書籍等でテクニックやコツが紹介されていたり、また、最近の音源では、その奏法のサンプルが用意されていたりして、勉強することにより技術の向上が見込まれる部分ではありますが、音楽自体の表現に関しては、センスが大切なのかもしれませんね。

ピアノを弾けない、そして音楽の表現力に乏しい私には難しい作業でした。そして、かけた労力の割には結果がついてこず、何だか非音楽的な作業に感じてしまい、面倒だとも思ってしまいました。

それでも、夢中になって取り組み、気付くと時間は11時。12時間ぶっ続けで作業していました。

ここでちょっと休憩して朝昼兼用の食事をとり、一旦耳をリセットして再度MIDIデータを聴いてみます。没頭しているがゆえに気付かなかった部分があったため、それらを直し、参考音源が出来上がったのは14時。(後日この参考音源も公開しようと思います。)

ホッとしたのも束の間、この後、編曲し直した箇所に関して、楽譜を修正しなければいけません。

参考音源をMASAに送るとともに、さすがにここにきて弱音を吐きました。でも、MASAの励ましもあって何とか作業を継続。20時に楽譜が完成しました。

ここで夕飯を取り、MASAに報告。この後、もう一作業あったのですが、そのことはまた別の制作日記に書きます。すべての作業が終わったのが23時。

リハはあと一回しかないので、少しでも早く先生に楽譜と参考音源を渡そうとメールで連絡。渡す日時も決まり、日が変わる前に布団に入りました。明朝、寝坊して会社に遅刻しないことを願って・・・。

後日公開予定のPART4に続く。→こちら

【追記:2015年12月13日】
無事録音を終え、音源を公開しました。

【Written by JUN】


タグ:日記
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