ボッサハウスの楽曲を制作

今年(2016年)の1曲目が完成したのが2月7日。それから約二ヶ月で2曲目が完成したので制作日記を書きます。

MASAが最初にラフを送ってくれたのが2月11日。ボサノヴァとハウスをミックスさせたような曲を作ろうということになりました。
余談ですが、途中から「ボッサハウス」ってこの曲のことを呼んでいたのですが、ググってみるとこの言葉って存在するんですね。二人だけの造語かと思っていました・・・苦笑。

前回に続き、購入したボーカル素材を使用した8小節のラフでした。MASAとしてはコード進行やベースラインに迷いがあるとのことだったのですが、私が聴いた感じ、すごくカッコいいと思ったため、このまま進めてもらうことにしました。

その際、同じようなジャンルで参考になりそうな楽曲をYouTubeにアップされている動画で共有したのですが、その中にMASAが気になるコード進行がありました。

それらの要素を取り入れられればということで、私が耳コピーでコードとボイシングを採譜し、MASAに送りました。
余談ですけど、やっぱりJAZZ系のコードやボイシングは聞き取るのが難しいですね。理論に助けられた部分が多々ありました。(それでも、合っているかどうかは微妙でしたが・・・苦笑)

今回もボーカル素材を使っていますので、メロディを変えることができません。よって、私が送ったコード進行をベースとして、MASAの方で使用するボーカル素材にあった形にコード進行を組み立て直します。

この段階のラフをもらったのが2月21日。今回は展開が早いです。

この時点で、楽曲構成として前半・後半と大きく二つに分けられたのですが、MASAとしては2つ気になる点があったようで、

・1つは前半のメロディがコードと合っていないのではないか？
・もう一つは後半のコード進行が一辺倒ではないか？

というものでした。

前半部分に関して、確かにコードに対するスケール外の音があるように思いましたが、ジャズ特有というか、私個人としては意図的にアウトしているように聞こえたため、気にならないというか、むしろ心地いい感じでした。

このことをMASAに伝え、このまま進めることに。ちなみにこの前半部分、もう一つ仕掛けというかポイントがあるんです。オルガンのフレーズをよく聴いてみていただきたいのですが、2小節単位でテンションに含まれる音が変わります。

これが、この楽曲のキーのスケール音とスケール外音で切り替わるため、一瞬「あれ？」っといった感覚に陥りませんか？

一つのキーで進むと思いきや、キーが全音上がったような不思議な感覚がして、調性音楽と旋法音楽(モード)の融合みたいでかっこいいなぁと私は思いました。

ただ、これって結局は聴き手によるんですよね。例えばテンションを使うにしても、この言葉自体が“緊張”という意味です。つまり、豊かな響きと感じる人もいれば、キツイ響きと感じる人もいると思います。

ですので、この曲に関しても聴いてくださる方によって感想が異なると思いますが、このようなジャンルでは、ボーカルを含め意図的にアウトするのはありなのではないかなぁと私は思っています。

後半部分に関しては、1小節単位でコードチェンジしているのですが、8小節に1回、1拍ごとのコードチェンジを取り入れることでマンネリ感(？)を解消することにしました。

あと、後半のオルガンの刻み方に関しても、他のパートとうまく融合するようにMASAに調整してもらい、その他の微調整も含め、3月28日に全体の構成が出来上がりました。

今回も、キックの信号をトリガーとしたサイドチェインのコンプをかけているので、サイドチェイン有り・無し、各々のパラデータを送ってもらい、4月に入ってからミックスを始めました。

またしても余談ですが、Yosemite環境に加え、Pro Tools 12での初めて行なうミックスです。まあ、使用するプラグインは『Waves Diamond』に変わりありませんので、操作に戸惑うことはありませんでした。

ただ、打ち込み音源ではあるものの、ドラムはリズムマシーン系ではなく生ドラム、ベースもシンセベースではなくアコースティックベースと、これまでHIRNESの楽曲でミックスしてきた曲と異なる素材があったため、時間がかかってしまいました。

一旦ヘッドホンだけでミックスをしてMASAに聴いてもらい、後日スピーカーで微調整を行なったところで完成。楽曲名は『Falling』です。

この楽曲はMASAのいいところがたくさん出ている曲だと思いますので、ぜひお聴きください！

【Written by JUN】

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